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カラダコラム

肩を回しても肩こりが気になるのはなぜ?姿勢・肩甲骨・首の関係

2026年10月30日

投稿者:骨盤LABO 院長 三崎隆治

肩を回して肩こりを紛らわせようとしている女性

 

 

 「肩が重いと感じると、つい肩をぐるぐる回してしまう」「仕事の合間に肩を回すと少し楽になるけれど、しばらくするとまた肩がこる」という方は多いのではないでしょうか。デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、肩や首まわりが動かしにくく感じたり、肩を上げ下げしたくなったりすることがあります。

 肩こりが気になると、肩を揉んだり、回したりと筋肉をほぐそうと動かすことが増えると思います。実際に肩を動かすことで、一時的に身体がほぐれたように感じることもあります。しかし、肩を回す習慣を続けているのに、仕事をしているとまた肩こりという場合は、肩だけに注目するのではなく、普段の姿勢や身体の使い方にも目を向けてみる必要があります。

 

 肩の動きには、肩関節だけでなく肩甲骨や背中、首なども関係しています。パソコン作業などで腕を前に出した姿勢が長く続けば、肩甲骨が開いたまま動く機会が少なくなったり、頭が前に出たストレートネックの姿勢になったりすることがあります。こうした姿勢が習慣になって体に定着してしまうと、肩まわりに負担がかかりやすい状態につながってしまうのです。

 そのため、「肩がこるから肩を回す」という対処だけではなく、なぜ肩が気になる状態になっているのかを普段の姿勢や身体の動きから考えることも大切です。

 

 今回は、肩を回しても肩こりが気になる理由について、肩甲骨や首、背中の動き、デスクワーク時の姿勢との関係を詳しく解説します。普段の姿勢を確認できるセルフチェックや、仕事中に取り入れやすいケアについても紹介していきます。

 

 

肩を回すと一時的に楽に感じるのはなぜ?

 

 肩こりが気になるときに肩を回すと、「少し軽くなった」「肩が動かしやすくなった」と感じることがあります。長時間パソコンに向かっていた後などは、肩を大きく回すだけでも身体が動かしやすくなったように感じる方もいるでしょう。

 これは、同じ姿勢を続けていたことで動かす機会が少なくなって固まっていた肩まわりの筋肉や関節を動かすきっかけになるためです。デスクワークでは、キーボードやマウス操作で腕を前に出した状態で作業する時間が長くなりやすく、意識していないと肩を後ろへ引いたり、腕を大きく動かしたりする機会が少なくなってしまいます。

 

 また、肩を回すときには、肩関節だけが動いているわけではありません。背中にある肩甲骨も一緒に動くため、肩を前後に回すことで肩甲骨の動きも引き出されます。腕を動かすためには肩甲骨の動きも重要なので、肩を回すことは筋肉を動かす方法の一つとして取り入れやすいでしょう。

 ただし、肩を回すことで一時的に楽に感じても、仕事を再開すると再び肩こりになってしまいがちであれば、肩を動かすことだけではなく、肩が動きにくくなっている普段の姿勢や身体の使い方にも目を向ける必要があります。

 例えば、パソコン作業中に頭が体より前へ出ていたり、背中が丸まった状態で手元で作業し続けていたりすると、肩まわりには同じような負担が繰り返しかかります。肩を回す時間をつくっていても、それ以外の時間に同じ姿勢を長く続けていれば、肩こりを繰り返しやすくなります。

 

 あまり意味がないからと肩を回すことをやめる必要はありません。大切なのは、肩を動かすことに加えて、なぜ肩を動かしたくなるほど同じ姿勢が続いているのか、普段どのような姿勢で仕事をしているのかにも目を向けることです。

 では、肩こりが気になるとき、肩だけを見ればよいのでしょうか。次は、肩と一緒に動いている肩甲骨や背中、首との関係について詳しく見ていきます。

 

 

肩こりは肩だけの問題とは限らない

 

 肩こりが気になると、つらい部分である肩そのものに原因があると考えがちです。しかし、肩は単独で動いているわけではありません。腕を動かすときには肩関節だけでなく、肩甲骨や背中、首なども一緒に動いています。さらに、頭を支える首の筋肉も肩まわりの筋肉と共通していることもあるため、肩まわりの状態を考えるときには、肩だけではなく周辺の動きも確認することが大切です。

 

肩甲骨の動きが肩の動きに関係する

 肩甲骨は背中の上部にある骨で、腕を動かすときにさまざまな方向へ動きます。腕を前に伸ばす、横から上げる、後ろへ引く、左右にねじるといったさまざまな動作で肩甲骨も連動して動いています。

 ところが、デスクワークではキーボードやマウスを操作するため、腕を身体の前に出した姿勢が長く続きます。この姿勢では肩甲骨が開いた状態のまま大きく動かす機会が少なくなり、肩を後ろへ引くような動作も減りやすくなります。つまり、後ろに引く動作を担う筋肉は、常に引っ張られたままで腕の重さを支える、いわゆる綱引きの膠着状態のようになり、より負担がかかってしまいます。

 普段から肩甲骨を大きく動かす機会が少ない状態で仕事を続けていると、肩を回したときに動かしにくさを感じたり、万歳をしても腕がまっすぐ上がりきらなかったり、左右で肩の動き方が違ったりすることがあります。肩こりが気になる方は、肩の筋肉の硬さだけでなく、肩甲骨が普段どのように動いているのかにも目を向けてみましょう。

 

猫背になると肩こりが気になりやすい

 デスクワークを続けていると、気づかないうちに背中が丸くなり、頭や肩が前に出た姿勢になっていることがあります。いわゆる猫背と呼ばれる姿勢です。仕事に集中していると、最初は背筋を伸ばして座っていても、時間が経つにつれて少しずつ身体が前へ傾いてしまう方も少なくありません。

 猫背は見た目だけの問題ではありません。猫背になると、頭の位置も身体の中心から前へ移動しやすくなります。頭は約4~6kgの重さがあるため、前へ出た状態で支え続けるには首や肩まわりの筋肉が働き続ける必要があります。短時間であれば気にならなくても、パソコン作業などでこの姿勢が長時間続けば、支え続ける首や肩まわりに疲労が溜まりやすくなります。

 また、猫背では胸の前側が縮こまり、背中が丸まった姿勢になりやすいため、腹筋などが弱ってしまうと身体を起こして座ること自体が疲れやすく感じる場合があります。姿勢を支えることがつらくなると、背もたれに身体を預けたり、机に肘をついたりして、さらに背中を丸めた姿勢になってしまうこともあります。

 普段から肩を回しているのに肩こりが気になる方は、肩そのものだけを見るのではなく、仕事中に猫背になっていないか、頭が前に出ていないかを確認してみましょう。肩を回す習慣と合わせて、肩こりが気になりにくい姿勢を保ちやすい環境をつくることも大切です。

 

首の位置も肩まわりと関係する

 肩だけでなく、首の位置も確認したいポイントです。

 パソコン画面を見るために顔を前へ出したり、画面に近づくように身体を丸めたりすると、頭が身体より前に出た姿勢になりやすくなります。頭を支える首や肩まわりにも負担がかかりやすくなるため、長時間続けば肩のこりを感じるきっかけになります。

 特に、画面を見るときに顔だけを前へ出していないか、あごが前へ突き出るような姿勢になっていないかは確認してみましょう。頭が前に出ると本来は下を向くため、前を向くために顔だけが上がってしまいます。この時、後頭部の筋肉が働いたままになってしまうので、ズーンとした頭痛を感じやすくなります。

 

 このように、肩こりが気になるときには、肩そのものだけでなく、肩甲骨・背中・首がどのような位置にあり、どのように動いているのかを見ることが重要です。

では、実際のデスクワークではどのような姿勢になっていると、肩まわりを動かす機会が少なくなりやすいのでしょうか。次は、仕事中の姿勢に絞って詳しく見ていきます。

 

 

デスクワーク中の姿勢をチェックしてみましょう

 

 肩こりが気になる方は、仕事中にどのような姿勢で過ごしているのかを一度確認してみましょう。自分では普通に座っているつもりでも、長時間作業を続けていると少しずつ姿勢が崩れていることがあります。

 特に確認したいのが、頭の位置、肩の位置、背中の丸まり、腕の位置、椅子への座り方です。次の項目を普段のデスクワークと照らし合わせてみてください。

 

パソコン画面を見るとき、顔が画面に近づいていないか

 画面の文字が小さい、画面との距離が視力に合っていない、集中して画面を見ているなどの理由から、無意識に顔を画面へ近づけていないでしょうか。顔が前へ出るほど、頭を支える首や肩まわりの筋肉にも負担がかかりやすくなるだけでなく、長期間のクセがついてしまうことで首の骨にも影響を及ぼすことがあります。本来の自然なカーブが失われ、首の骨の並びがまっすぐな配列になってしまうストレートネック(スマホ首)になると間を通る神経に当たりやすくなって、痛みやしびれなどの神経症状が現れてしまうこともあります。

 

肩が前に出た状態でキーボードを操作している

 キーボードやマウスを操作するとき、両腕を身体の前へ伸ばした状態が長く続いていないか確認してみましょう。肩が前へ出たまま作業していると、胸を開いて身体を起こす姿勢に戻る機会が少なくなります。いわゆる巻き肩の状態になると胸郭がしっかりと開くことができす、息をたくさん吸い込むことが難しくなって呼吸が浅くなってしまいがちです。

 

無意識に肩をすくめている

 集中して作業していると、肩に力が入り、耳に近づくように肩をすくめていることがあります。マウスを細かく操作するときや、忙しく作業しているときほど力が入りやすいため、仕事の途中で一度肩の力を抜いて確認してみましょう。首・肩に力が入ったままの状態が続いているので、歯を食いしばってしまうことも少なくありません。

 

背もたれに寄りかかって猫背になっている

 背もたれに身体を預けすぎていないか確認してみましょう。背もたれにもたれすぎると、座面に浅く腰掛けた状態になりやすく、腰の反りがなくなって背中が丸まった猫背姿勢になりがちです。

 背中が丸まることで上半身が後ろへ倒れると、パソコン画面を見るために目線が下がりやすくなります。その状態で画面を見ようとして頭が肩より前へ出たり、あごを引いた姿勢になったりすると、首の後ろ側の筋肉が引き伸ばされた状態が続きます。こうした姿勢を長時間続けることで、首まわりのこりにつながることがあります。

 

肘や手首を机に置いたまま作業している

 肘を机に置くと腕を支えやすくなる一方で、身体を机に預けることで背中が丸くなってしまう場合があります。作業中に身体が前へ倒れていないか、片方の肘だけを机につける癖がないか、頬杖をついていないかも確認してみましょう。

 特に片側だけに肘をついたり頬杖をついたりする姿勢が習慣になると、左右どちらかに身体が傾いた状態で作業する時間が長くなります。肩の高さや身体の向きにも左右差が出やすくなるため、同じ姿勢を続けないよう意識することが大切です。

 また、この肘を机に置いて休むこと自体が悪いわけではありません。長時間同じ姿勢を続けるのではなく、肩の位置を大きく動かさないようにしながら、背中をゆっくり反らす動作を短時間取り入れてみるのもよいでしょう。背中を起こすことで肩甲骨を動かす感覚もつかみやすくなります。仕事の合間に身体を起こす習慣をつくり、同じ姿勢が続かないようにすることを意識してみましょう。

 

同じ姿勢のまま長時間作業している

 正しい姿勢を意識していても、何時間もほとんど身体を動かさない状態が続けば、肩や首まわりをはじめとした身体には負担がかかります。姿勢そのものだけでなく、同じ姿勢を続けてしまう時間にも目を向けることが大切です。

 人の身体には、身体を動かすことが得意な筋肉(アウターマッスル)と骨格を支えるのが得意な筋肉(インナーマッスル)があり、インナーマッスルが弱ってしまったり姿勢が悪くなるとアウターマッスルも骨格を支える役割を担います。そのため、アウターマッスルの負担が多くなり、こりや疲労感といった症状で体は訴えかけてくるのです。

 

 これまでの項目に当てはまるものが多いからといって、すぐに身体に問題があるというわけではありません。普段どのような姿勢になりやすいのかを知り、仕事中の姿勢を見直すきっかけとして確認してみましょう。デスクワークでは、最初から最後まで完璧な姿勢を維持することよりも、姿勢が崩れていることに気づいたときに身体を動かしたり、作業環境を調整したりすることが大切です。

 

 

肩・肩甲骨セルフケアの実践方法

 

 デスクワークの合間で座ったままできる肩まわりのセルフケアをご紹介します。長時間続けて行う必要はありません。仕事の合間に1~2分程度、身体を動かす時間をつくってみましょう。

 大切なのは、一度にたくさん行うことではなく、同じ姿勢を長時間続けないために、こまめに身体を動かすことです。肩を回してもすぐに肩こりが気になる方は、セルフケアだけでなく、普段の姿勢や肩甲骨、首、背中の動きも確認してみましょう。

 

① 首反らし

やり方

  • 椅子に座り、軽くあごを引いて背筋を伸ばす
  • 7つある首の骨を下から1つ1つ動かすイメージで、ゆっくりと顔を上げていく
  • そのまま後ろを見るぐらいのつもりで、できるだけ上を向いた状態を20秒キープする

目安:20秒キープ×1日3セット

 首を反らすと痛みや手指などにしびれが出る方は無理をせずに行うのは中止してください。顔を戻すときは急に動かすとめまいなどを起こす場合があるのでゆっくり行いましょう。

 

② 首倒し

やり方

  • 片手を頭の上に乗せる
  • 頭を乗せた手の方向に首をゆっくり倒していく
  • 痛気持ちいい程度の位置で20秒保つ
  • ゆっくり力を抜いて反対側も同様に行う

目安:左右それぞれ1日3セット

 頭を倒すときは前に倒れないようにします。真横かやや斜め後ろに倒すことで首の側面が伸びているか確認しましょう。

 

③ 両手ねじり

やり方

  • 背筋を伸ばして椅子に座ったまま、両手を左右に水平の高さで伸ばす
  • 左右の手のひらを上に向け、できるだけ顔も上に向けて5秒キープ
  • 肘が上向きに来るように、左右の腕を360度ねじった状態で手のひらを上に向け、顔は下に向いて5秒キープ
  • 左手だけ腕のねじりを元に戻し、顔を左に向けて5秒キープ
  • 腕のねじりを左右逆にして、顔を右に向けて5秒キープ

目安:一連の流れを1セットとし、1日3セット

 首から指先まで伸びる感覚を意識します。

 

④ 小胸筋ストレッチ

やり方

  • 背筋を伸ばし、天井を持ち上げるように肘を直角に曲げて手のひらを上に向ける
  • 手のひらの向きを天井と平行に保ったまま、肘が後ろに来るように胸を開く
  • できるだけ後ろに下げたら、そのまま20秒キープ

目安:20秒キープ×1日3セット

 鎖骨の下あたりが伸びる感覚を意識しましょう。巻き肩になっている方は小胸筋が硬くなっていることが多いです。

 

参考文献;文響社 どんなに硬い体も柔らかくなる!名医が教えるすごいストレッチ

 

 

セルフケアだけでは追いつかない肩こりには

 

 セルフケアを続けても肩こりが繰り返す場合は、自分では気づきにくい姿勢や身体の使い方が関係している可能性もあります。例えば、パソコン画面が低い位置にあるため顔が下を向いている、キーボードが遠く肩が前に出ている、椅子の高さが合わずに身体が丸まっているといった環境では、姿勢を意識していても身体が元の状態に戻ってしまうことがあります。

 セルフケアで対応するだけでは追いつかない場合は、整体で肩だけでなく、首や背中、肩甲骨を含めた身体の状態を確認してもらうことも一つの選択肢です。自分では気づきにくい姿勢や身体の動かし方を確認し、その状態に合わせたケアを受けてみましょう。

 

整体ではどのような視点で身体を確認するのか

 整体では、肩こりが気になるからといって肩だけを見るのではなく、首・肩・肩甲骨・背中などの状態や姿勢を確認しながら、身体全体のバランスを見ていきます。

 例えば、猫背によって肩が前へ出ているのか、肩甲骨が動かしにくくなっているのか、首が前へ出た姿勢になっているのかなど、普段の姿勢や身体の動かし方を確認します。自分では「肩がこっている」と感じていても、実際に身体を確認すると、肩以外の部分に気になる状態が見つかることもあります。

 

 

 骨盤LABOでは、肩こりが気になる方に対して、肩まわりだけをケアするのではなく、姿勢や肩甲骨、首、背中などの状態を確認し、お一人おひとりの身体に合わせたケアをご提案しています。猫背が気になる方には猫背矯正、肩甲骨の動きが気になる方には肩甲骨はがしなど、現在の身体の状態に合わせたメニューをご用意しています。「肩を回してもすぐにこる」「セルフケアを続けても肩こりが気になる」という方は、肩だけを繰り返し動かすのではなく、一度お近くの骨盤LABOで身体全体の状態を確認してみてはいかがでしょうか。

 

 

リッチリザルト(付加情報)

この記事の著者

骨盤LABO 院長 三崎 隆治

骨盤LABO 院長

三崎 隆治

2010年 甲賀健康医療専門学校卒業・柔道整復師免許取得

2016年 履正社医療スポーツ専門学校卒業・はり師・きゅう師免許取得

2016年 ほんわか鍼灸整骨院勤務

2017年 株式会社Axis執行役員就任

2018年 骨盤LABO日野店勤務

2018年 骨盤LABO野洲店勤務

2019年 骨盤LABO東雲店勤務

2020年 株式会社Axis取締役就任

現在   骨盤LABO日野店勤務

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