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カラダコラム

変形性膝関節症の原因と膝の健康を守る効果的なセルフケアをご紹介

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2024年6月28日

投稿者:骨盤LABO 院長 三崎隆治

ひざが痛い男性

 膝の痛みに悩まされている日本人は2005年の段階で約2400万人と言われており、この20年は増加傾向のまま、今は痛くはないが異変が起こり始めている予備軍の方々も含めると約3000万人に及ぶとされています。膝の痛みを抱える人の多くが変形性膝関節症と呼ばれる病気であり、加齢や運動不足などによって長年膝の関節部分に負担がかかって摩耗してしまっている状態です。歩行や立ち座りの動作に膝の動きはつきものですので、その動作時に痛みが発生することはQOL(生活の質)を落としてしまう原因となり、動くのが億劫になってしまうと認知症やその他病気のリスクに関わります。

 膝だけでなく、痛みが出た場合はまずは安静にしたり腫れがあるときは冷やすことが大事です。ですが、これは痛み出した直後の急性期の話であり、安静にしすぎると次第に筋肉が衰えて硬くなり動きが悪くなってしまい、膝関節がすり減りまた痛む、といった長期的にみると悪化の一途を辿ってしまいます。変型性膝関節症で大事なのは痛みが出るような負担の大きい行動は避け、無理のない範囲で動かして膝を支える筋肉を鍛えることです。今回は変形性膝関節症の原因と痛みを出ないようにするためのセルフケアについてご紹介いたします。

 

 

膝の痛みを起こす原因

 

 膝関節は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)にその上にかぶさるようにある膝蓋骨(膝の皿)の骨、間にはスムーズな曲げ伸ばしと衝撃を和らげるための半月板や関節軟骨といった軟骨、関節を安定させる前十字靭帯や膝蓋靭帯などの靭帯、ほかにも関節包などで構成されています。このうち長年をかけて負担がかかり続けた軟骨は徐々にすり減っていってしまい、摩耗した際に出る摩耗粉は体内では異物とみなされ、排除しようとした働きによって炎症として痛みを引き起こしてしまいます。この状態が変形性膝関節症であり、進行するといわゆる膝に水が溜まったり骨棘が出来たりといった症状も現れます。また、軟骨には損傷をしても治す細胞がなければ、細胞を増やすための栄養を運ぶ血管がそもそもありません。そのため、自然治癒が難しいことから一度削れてしまった軟骨は骨折のようには回復することができないのです。

変形性膝関節症の症状

 変形性膝関節症とは、関節を保護する軟骨が、加齢や筋力の低下によって摩耗し、痛みを引き起こす病気です。
変形性膝関節症の主な症状は、膝の痛みと変形です。

【初期に見られる症状】
・立ち上がったとき、動き出すときに膝が痛む

【中期に見られる症状】
・歩くと膝が痛む
・正座、階段の上り下りなどが困難
・深くしゃがむ際の膝が痛む

【末期に見られる症状】
・上記の症状がさらに悪化
・膝関節が変形、膝がピンと伸ばせない
・痛みが慢性的に続く

 

 

変形性質関節症の3大原因

 膝の軟骨がよりすり減ってしまう大きな要因は加齢運動不足肥満の3つです。

加齢による変形性膝関節症

 車などのタイヤが走り続けるとゴムの部分がすり減っていくように、軟骨も不可逆的にどうしても年を重ねるのと比例して摩耗してしまいます。超高齢化社会に突入した日本では高齢者の人口が増えていることから、膝の痛みに悩まされる方も増加してしまうのは仕方がありません。

運動不足による変形性膝関節症

 現代の日本は車・電車・バスといった交通網の発達やエレベーター・エスカレーター・動く歩道など利便性が高くなっていく一方、日常生活で自然と行われていた体を動かす機会が失われることで運動不足に陥っている方が増えています。運動不足になると膝関節を構成する筋肉や靭帯への刺激が足りず、日々衰えてしまい、関節を支えきれなくなると負担がかかった軟骨はよりすり減ってしまいます

肥満による変形性膝関節症

 膝は歩くだけで体重の2~3倍、階段の上り下りでは7~8倍の負担がかかっているとされています。体重が増えるとその分動作ごとにかかる膝の負担は大きくなり、関節を痛めやすくなるのです。できるだけ普段から適正体重を維持することで膝の摩耗を減らしましょう。適正体重は「身長(m)×身長(m)×22」を計算することができます。また、日本肥満学会では「体重(kg)÷〔身長(m)×身長(m)〕」で計算したBMIが25を超えていると肥満としています。BMIが25を超えていた方は適正体重(BMIが22)になるよう、食べ過ぎを減らしたり運動をすることで減量を試みましょう。

 

 

膝の痛みのセルフケア

 

 膝の変形は初期・中期・末期と3段階に分けられ、初期の段階では自覚症状がない方もいらっしゃいます。末期レベルになると病院では人工関節に置き換える手術を勧められることも多くなりますが、人工関節自体の耐久年数から60歳以下では出来なかったり高齢になると手術自体の負担面から行えない場合もあるようです。また、痛みはなくなっても正座をしてはいけないなど人工関節にもメリット・デメリットがあるので、あくまで人工関節は最終手段としておき、手術に踏み切る前にまずはセルフケアを行うことで痛みの軽減と進行を遅らせましょう

 手術を行わない保存療法の中では運動療法温熱療法が効果的で、痛みが強くない限りは薬物療法や注射療法を行わずとも痛みを軽減することができます。国際関節症学会では筋力強化・有酸素運動・可動域拡大を特に推奨しており、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)をメインに動かすようにしましょう。

 

膝の痛みを改善するための優先順位

1.痛くない範囲で日常的に足を動かす意識をつける。サポーターを使用したりして患部を温めるようにする。(急性期の痛みは冷やす)

2.毎日膝を動かす体操やリハビリを行う。

3.膝の負担がかかりにくい運動習慣(水泳や水中歩行、ウォーキングなど)をつける。

4.肥満気味の方は食べ過ぎや間食がないか食生活を省み、ダイエットする。

5.NSAIDs(痛み止め)の服用。

6.ヒアルロン酸関節注射

 

 1~4をメインに行い、動かすのもつらいような痛みが強い場合に5・6を使用するようにしましょう。毎日無理のない範囲で行うこと、急性期の腫れがある場合でなければ基本的に膝を冷やさないこと、適正体重を維持することが重要です。スポーツなど激しい運動は悪化させてしまうのは想像しやすいかと思いますが、1日1万歩といった健康目標も変形性膝関節症の方にとっては膝に大きな負担がかかる激しい運動に当てはまってしまうので1日5~6000歩程度に抑えましょう。ウォーキングを行う場合は歩数に関わらず痛みが出てきた場合は一度休み、和らいだら引き返すなどやりすぎによる膝のすり減りを考慮します。

 

足上げ体操

1.イスに浅く座り、座面の縁をつかむ。やや前かがみの姿勢になり、片足の膝をまっすぐ伸ばした状態でかかとを床につける。

2.まっすぐ膝を伸ばしたまま太ももの付け根から動かす意識をしながら、かかとをゆっくりと床から10cmぐらいの高さまで上げる。上げたまま5秒静止した後、ゆっくりと下ろして1~2秒休憩する。

3.1~2を10回繰り返す。両足で筋力差がつかないようにもう片足も同様に行う。慣れてきたら足に重り(500g~1kgぐらいが目安)をつけて負荷を増やすのも良い。

 

太もも力こぶ運動

1.湯船浸かって膝を温める。湯船にもたれかかり、滑らないように手でしっかりと体を支える。

2.両足を浮かせ、足裏を浴槽の壁にしっかりとつける。

3.両足で突っ張るようにゆっくりと膝を伸ばし、太ももの前の筋肉に力が入っていることを意識しながら5秒間壁を蹴り押す。

4.1~3を5回繰り返すのを1セットとして1日4セットを目安に行う。お風呂以外では壁や多少押しても動かないタンスなどの間を使って同様に行う。

 

つかまり足踏み

1.テーブルやデスクなどに手をつき、手の真上に肩の位置が来るように少し前かがみの姿勢になる。

2.テーブルに体重をかけながら無理のない範囲で交互に足を上げてその場で足踏みを行う。

3.1回1分間行うのを1セットとして1日2~3セットを目安に行う。慣れてきたら手をつかずにその場で足踏みを行うのも効果的。

 

参考文献:文響社 ひざ痛 変形性膝関節症 自力でよくなる!ひざの名医が教える最新1分体操大全

 

 

 骨盤LABOでは膝の痛みを改善する除痛施術や、膝をかばった歩き方によって現れたほかの部位の痛みに対する施術を行っております。また、動かせずに固まってしまった筋肉をストレッチしたり寝ているだけで鍛えられるEMS(楽トレ)などのメニューも取りそろえておりますので、気になる方は是非一度お近くの骨盤LABOまでお越しくださいませ。

 

 

リッチリザルト(付加情報)

この記事の著者

骨盤LABO 院長 三崎 隆治

骨盤LABO 院長

三崎 隆治

2010年 甲賀健康医療専門学校卒業・柔道整復師免許取得

2016年 履正社医療スポーツ専門学校卒業・はり師・きゅう師免許取得

2016年 ほんわか鍼灸整骨院勤務

2017年 株式会社Axis執行役員就任

2018年 骨盤LABO日野店勤務

2018年 骨盤LABO野洲店勤務

2019年 骨盤LABO東雲店勤務

2020年 株式会社Axis取締役就任

現在   骨盤LABO日野店勤務

当院は腰痛専門治療院です

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