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カラダコラム

疲れやすい・夕方になるとぐったりするのは姿勢が原因?

2025年12月26日

投稿者:骨盤LABO 院長 三崎隆治

「朝はそこまでつらくないのに、夕方になると一気に体が重くなる」「仕事が終わる頃には、肩や腰が張って集中力が切れてしまう」

 このような疲れ方をしている場合、単なる体力不足や年齢の問題だけでなく、1日の姿勢の積み重ねが影響している可能性があります。特に、夕方に疲れが集中して出る人ほど、「その日1日どのような姿勢で過ごしていたか」を振り返ってみることが重要です。

 人の体は、短時間の負担にはある程度対応できます。しかし、同じような姿勢で何時間も過ごすことや、無意識のうちに体へかかり続ける小さな負担には弱いという特徴があります。その負担が少しずつ蓄積し、限界に近づいたタイミングが、ちょうど「夕方」なのです。

 

 今回は夕方に疲れやすくなる原因やなりやすい人の特徴などについてご紹介いたします。

 

 

夕方に疲れが出やすい人の共通点とは

 

 夕方になると急に体が重くなったり、集中力が切れたりする人には、いくつかの共通した生活パターンや体の使い方が見られます。こうした共通点に当てはまる場合、夕方の疲れは単なる体力の問題ではなく、1日を通して積み重なった姿勢の負担が表面化している状態と考えることができます。

 

朝から夕方まで同じ姿勢で過ごす時間が長い人

 デスクワーク中心の方は、出社してから退社するまで、座ったままパソコン画面に向かい続ける時間が想像以上に長くなりがちです。途中で立ち上がることはあっても、姿勢そのものは大きく変わらず、気づけば背中が丸まり、頭が前に出た状態が何時間も続いていることがあります。

 このような姿勢は、体を動かしていないように見えて、実際には首や肩、背中の筋肉を酷使しています。朝のうちはまだ余裕があるため不調を感じにくいものの、午後に入ると徐々に張りや重さを感じ始め、夕方には「何もしていないのにどっと疲れる」という状態になりやすくなります。

 

スマホを見る時間が長い人

 通勤中、休憩時間、仕事の合間、帰宅後まで、気づけばスマホを見ている時間が1日の中に細かく散らばっています。スマホを見る姿勢は、デスクワーク以上に自然と顔が下を向き、首が前に突き出やすくなります。この姿勢を何度も繰り返すことで、首から肩にかけての筋肉は休む間を失います

 「肩がこる」「首が重たい」といった自覚がなくても、夕方になると頭がぼーっとしたり、目の奥が疲れたりする人は、姿勢による負担が蓄積している可能性があります。

 

立ち仕事や家事が多い人

 一見、体を動かしている分、座りっぱなしより良さそうに思えますが、実際には前かがみの姿勢や片側重心が続きやすい環境でもあります。料理中にシンクに寄りかかる、掃除中に腰だけを曲げる、片足に体重をかけて立つといったクセが積み重なると、骨盤のバランスが崩れやすくなります。

 このような状態では、夕方になるにつれて腰や背中が重だるくなり、「家に帰ると何もする気が起きない」「ソファに座ったら動けない」と感じやすくなります。

 

疲れているのに眠りが浅い人

 夕方には疲労感が強いにもかかわらず、夜になっても体が完全にリラックスできず、寝つきが悪かったり、眠りが浅かったりするケースです。姿勢が崩れると呼吸が浅くなりやすく、体が緊張状態から抜けにくくなります。その結果、回復しきれないまま翌日を迎え、また夕方に同じような疲れを感じるという流れに陥りやすくなります。

 

夕方になると姿勢がさらに崩れる人

 朝は意識して背筋を伸ばしていても、疲労が溜まるにつれて無意識に背中が丸まり、骨盤が後ろに倒れ、頭が前に出た姿勢になります。椅子に浅く座って背もたれにもたれるような、この「疲れたときの姿勢の崩れ」が、さらに疲労を増やす原因となり、悪循環を生み出します。

 

 

姿勢が崩れると、なぜ疲れが増えやすいのか

 

 姿勢が崩れると疲れやすくなる、と聞くと「なんとなくそうかもしれない」と感じる方は多いと思います。しかし実際には、姿勢の乱れ、とくに骨盤のゆがみ・不安定さは、体に想像以上の負担をかけています。

 人の体は、骨盤を土台として、その上に背骨が積み重なり、さらに頭が乗る構造になっています。骨盤が安定している状態では、体の重さは骨格全体でうまく分散され、筋肉は必要以上に力を入れなくても姿勢を保つことができます。この状態では、立つ・座る・歩くといった日常動作も、比較的少ないエネルギーで行うことができます。

 ところが、骨盤が前後に傾いたり、左右にズレたりしていると、その上にある背骨もバランスを崩します。背骨のカーブが乱れることで、頭の位置が前に出たり、体がどちらかに傾いたりしやすくなります。すると、骨だけでは支えきれなくなった重さを、首・肩・背中・腰まわりの筋肉が常に補おうとする状態になります。

 このとき重要なのは、本人がほとんど自覚していないまま筋肉を使い続けているという点です。体は倒れないように、無意識のうちにバランスを取り続けます。たとえば、座っているだけでも、骨盤が不安定な状態では足を組んでみたり、浅く座ったり、体を前後に倒したりと姿勢を変えて全身の筋肉が微調整を繰り返しています。この「小さな調整」は一つ一つはわずかでも、何時間も続けば大きな疲労につながります

 

 

姿勢が悪いことで起こる体への影響

 

 骨盤が安定していないと、体の重心がズレた状態で固定されやすくなります。その結果、特定の筋肉ばかりが使われ、別の筋肉はほとんど使われないというアンバランスが生じます。よく使われる筋肉は疲労しやすく、使われにくい筋肉は働きが低下し、さらに姿勢を支えにくくなるという悪循環に陥ります。次第にこの偏りは膝関節や股関節をはじめとした関節にまで負荷をかけ、痛みが出るようになってしまうとかばった動きになり、さらにアンバランスな姿勢の悪循環のサイクルを加速させてしまいます。

 さらに、姿勢の崩れは呼吸にも影響を与えます。骨盤が後ろに倒れ背中が丸まった、いわゆる猫背になった姿勢では、胸やお腹まわりが圧迫され、肺が十分に膨らませることができないため、深い呼吸がしづらくなります。呼吸が浅くなると、体に取り込まれる酸素の量が減り、エネルギー効率が低下します。その結果、「体をあまり動かしていないのに疲れる」「午後になると頭がぼんやりする」といった状態が起こりやすくなります。

 

このように、姿勢の崩れ、とくに骨盤の不安定さは、

  • 筋肉を常に働かせ続ける
  • 無意識のエネルギー消費を増やす
  • 呼吸効率を下げる

という複数の要因を同時に引き起こします。

 

 そのため、朝のうちはまだ問題を感じなくても、時間の経過とともに負担が蓄積し、夕方になると一気に疲れが表面化しやすくなります。夕方のぐったり感は、「体力がないから」ではなく、体を支える土台が安定していない状態で1日を過ごした結果とも考えられるのです。

 

 

「休んでも疲れが取れない」理由

 

 「しっかり寝ているはずなのに疲れが抜けない」「休日に休んでも、月曜になるとまたぐったりする」このような状態が続く場合、問題は“睡眠時間”そのものではなく、休んでいる間の体の状態にある可能性があります。本来、睡眠中は体を回復させる時間です。筋肉の緊張がゆるみ、呼吸が深くなり、体はエネルギーを蓄えるモードへと切り替わります。しかし、姿勢や環境が整っていないと、寝ている間にも体は無意識に負担を受け続けてしまいます。

 

寝る姿勢が悪いと、体は完全に休めない

 日中の姿勢のクセは、寝ているときの姿勢にも影響します。猫背や骨盤の傾きがある状態では、仰向けで寝ても腰が反れたまま、背中が圧迫を受けたりと緊張しやすく、体がリラックスしきれません。結果として、寝返りが多くなったり、朝起きたときに腰や背中が重く感じたりすることがあります。

 また、横向きで寝ることが多い人も、骨盤や背骨がねじれた状態になりやすく、片側の肩や腰に負担がかかり続けることがあります。抱き枕などを膝に挟んだりすることで体のねじれを少なくするなど、対策していないと寝起きに痛みが出やすくなってしまいます。

 こうしたことから寝ている間に体勢が安定しないと、筋肉は「休む」よりも「支える」役割を続けることになり、回復効率が下がってしまいます。

 

呼吸が浅いままだと、回復モードに切り替わりにくい

 姿勢の乱れは、睡眠中の呼吸にも影響します。猫背傾向があると、胸やお腹まわりが圧迫されやすく、呼吸筋が十分に動かない状態では寝ている間も呼吸が浅くなりがちです。呼吸が浅い状態では、体はリラックスしづらく、緊張状態が続きやすくなります。

 本来、眠っている間は呼吸がゆったりと深くなり、体は回復に集中できる状態になります。しかし、呼吸が浅いままだと、体は十分に休めず、「寝たはずなのに疲れが残る」という感覚につながります。

 

寝具が合わないことで姿勢が崩れる

 睡眠中は体を動かさずに長時間同じ姿勢で過ごすため、寝具の影響を強く受けます。マットレスや枕が体に合っていない場合、寝ている間に背骨や骨盤の位置が崩れ、無意識のうちに体へ負担がかかり続けることがあります。

 まず、マットレスが柔らかすぎる場合、体が必要以上に沈み込みやすくなります。特にお尻や背中など体重のかかる部分が沈むことで、骨盤が後ろに倒れやすくなり、背骨の自然なカーブが崩れやすくなります。この状態では、寝ている間も筋肉が姿勢を支えようと働き続け、十分に力を抜くことができません。また、体が沈み込むことで寝返りが打ちにくくなり、同じ姿勢が長時間続く原因にもなります。

 一方で、マットレスが硬すぎる場合も注意が必要です。体がほとんど沈まない状態では、肩や腰など一部に圧が集中しやすくなります。圧迫される部分をかばうように寝姿勢が崩れ、無意識に体を緊張させてしまうことがあります。その結果、夜中に何度も目が覚めたり、朝起きたときに体がこわばっていたりすることがあります。

 

 枕の高さや形も、姿勢に大きく関わります。枕が高すぎると首が前に押し出され、低すぎると頭が下がりすぎてしまいます。どちらの場合も首の自然なカーブが保てず、首や肩の筋肉が休まりません。仰向けでは首のカーブを支え、横向きでは肩の高さ分を補える枕が理想とされますが、合っていない枕を使い続けることで、首から背中にかけてのバランスが崩れやすくなります。

 このように、寝具が体に合っていない状態では、日中と同じように姿勢の崩れが続いてしまいます。睡眠は本来、体を回復させる時間ですが、寝具の影響で姿勢が乱れていると、筋肉や関節は十分に休めず、「寝ても疲れが取れない」「朝から体が重い」といった状態につながりやすくなります。疲れやすさや夕方のぐったり感が気になる場合は、日中の姿勢だけでなく、寝ている間の体の支え方にも目を向けることが大切です。

 

寝冷えが疲労回復を妨げることも

 もう一つ見落とされがちなのが、寝ている間の冷えです。体が冷えると血流が滞りやすくなり、筋肉の回復や老廃物の排出がスムーズに行われにくくなります。特に、首・お腹・腰まわりが冷えると、体は無意識に緊張し、防御反応として筋肉を固くしてしまいます。

 エアコンや薄着による冷えは、本人が気づかないうちに体へ影響を与えていることもあります。朝起きたときに体がこわばっている場合、寝冷えが関係している可能性も考えられます。

 

「休んでいるのに疲れる」は体からのサイン

  • 寝る姿勢が安定しない
  • 呼吸が浅い
  • 寝具が体に合っていない
  • 冷えによって体が緊張している

 これらが重なると、睡眠時間が十分でも、体は本来の回復モードに入れません。結果として、疲れを翌日に持ち越し、夕方になると再びぐったりしてしまうという流れが生まれます。疲れが取れない状態は、「ちゃんと休めていない」という体からのサインとも言えます。日中の姿勢だけでなく、休む時間の体の状態にも目を向けることが、疲れにくい体づくりにつながります。

 

 

日常でできる「夕方疲れ」を防ぐ姿勢意識

 

 夕方の疲れを軽減するためには、「完璧な姿勢」を目指す必要はありません。大切なのは、崩れた姿勢に気づき、戻す回数を増やすことです。

 夕方になると一気に疲れが出てくる人の多くは、特別な運動不足や体力低下だけが原因ではありません。日常生活の中で無意識に続けている姿勢のクセが、少しずつ体に負担を蓄積させているケースが多く見られます。ここでは、今日から意識できる姿勢のポイントを場面別に整理します。

 

① 座っている時間が長い人の姿勢意識

 デスクワークやスマホ操作など、座る時間が長いと骨盤が後ろに倒れやすくなります。骨盤が倒れると背中が丸まり、頭が前に出た姿勢になりやすく、首・肩・腰に負担が集中します。意識したいのは「背筋を伸ばす」ことよりも、「骨盤を立てる」感覚です。椅子に深く腰掛け、座面にお尻を均等に乗せることで、背骨が自然に上へ伸びやすくなります。背もたれは寄りかかりすぎず、軽く支える程度が理想です。

 また、同じ姿勢を長時間続けること自体が疲れの原因になります。30分~1時間に1回は立ち上がり、肩を回す、背伸びをするなど、体をリセットする時間をつくることが、夕方の疲労感を溜め込まないコツです。

 

② スマホ・パソコン使用時の首の位置

 画面を見る時間が長くなるほど、首は前に出やすくなります。この状態が続くと、頭の重さを首や肩の筋肉だけで支えることになり、筋肉の緊張が抜けにくくなります。

 スマホを見るときは、顔を下に落とすのではなく、画面を目の高さまで持ち上げる意識が大切です。パソコン作業では、画面の上端が目の高さに近づくように調整し、ノートパソコンの場合はスタンドや外付けキーボードを活用すると姿勢を保ちやすくなります。

 

③ 立ち仕事・家事中の姿勢意識

 料理や洗い物、掃除などの家事では、手元を見る時間が長くなり、無意識に首を下に向け続けてしまいがちです。この状態が続くと、首から背中にかけての筋肉が常に緊張し、疲れやすさにつながります。作業中はときどき顔を上げ、首や肩の力を抜く時間を意識的に作ることが大切です。また、足元に踏み台を置き、片足を交互に乗せることで骨盤の傾きが安定し、腰や背中への負担が軽減されます。「腰から折れ曲がる」のではなく、体全体で動く意識を持つことで、局所的な疲労を防ぎやすくなります。

 

④ 歩くときの姿勢と疲れにくさの関係

 歩いているときの姿勢も、夕方の疲れに大きく影響します。視線が下がり、背中が丸まった状態で歩くと、呼吸が浅くなり、体に酸素が行き渡りにくくなります。歩くときは、目線を少し前に向け、背骨が上から吊られているようなイメージを持つと、自然に姿勢が整いやすくなります。腕を軽く振り、歩幅を無理なく保つことで、全身の筋肉がバランスよく使われ、疲れにくさにつながります。

 

⑤ 「がんばって良い姿勢」にならないことが大切

 夕方疲れを防ぐ姿勢意識で重要なのは、「常に完璧な姿勢を保とう」としないことです。無理に胸を張ったり、力を入れ続けたりすると、かえって疲労が蓄積します。正しい姿勢とは、力を抜いても自然に保てる状態です。こまめに姿勢をリセットし、体を動かす時間を取り入れることで、夕方のぐったり感を軽減しやすくなります。

 

 

 夕方になるとぐったりしてしまう状態は、「頑張りすぎ」の結果ではなく、体の使い方が偏っているサインであることもあります。骨盤LABOでは、疲れやすさを単なる筋肉の問題としてではなく、姿勢全体のバランスから考えています。骨盤を体の土台として整え、背骨や肩まわりの動きをサポートすることで、体が無理なく支えられる状態を目指します。「最近、夕方がつらい」と感じている方は、ぜひ一度お近くの骨盤LABOまでご相談ください。

 

 

リッチリザルト(付加情報)

この記事の著者

骨盤LABO 院長 三崎 隆治

骨盤LABO 院長

三崎 隆治

2010年 甲賀健康医療専門学校卒業・柔道整復師免許取得

2016年 履正社医療スポーツ専門学校卒業・はり師・きゅう師免許取得

2016年 ほんわか鍼灸整骨院勤務

2017年 株式会社Axis執行役員就任

2018年 骨盤LABO日野店勤務

2018年 骨盤LABO野洲店勤務

2019年 骨盤LABO東雲店勤務

2020年 株式会社Axis取締役就任

現在   骨盤LABO日野店勤務

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